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2019/09/15

膠着語である日本語も音素解析が重要です

膠着語である日本語も音素解析が重要です
2019/09/15(日)
 国語文法のなかで残念な「ほころび」が目立つ部分は、用言活
用の全般に関わる文法則だろう。きちんと考え直してみよう。
単語の品詞分類は、第一段階に自立語/附属語の区分、第二段階
に活用あり/活用なしの区分までで、おおよその分類ができる。
・用言は、自立語で活用あり:動詞、形容詞などの単語、
・体言は、自立語で活用なし:名詞、名容詞(形容動詞)など、
・助動辞には、附属語で活用あり:接辞(助動詞)など、
・助辞には、附属語で活用なし:助辞(格助詞、助詞)など、
と分類しておきます。
通例では形容動詞を用言へ分類するが、用法上は実体状態の形容
を名詞的に表現し、名詞とほぼ同様の扱いができるので名容詞と
呼び体言扱いとする。(用言の活用は語幹むき出しの強烈さで連
結するが、形容動詞では体言的無活用:単語形態のままで膠着す
る)
  
 活用ありの区分段階で膠着する構成を次のように想定する。
・自立語の動詞、形容詞は活用に際して語幹を基礎にした膠着方
 式を採り、接辞:助動辞が密結合して活用形態を構成する。
・附属語で活用ありの助動辞は、各個固有の機能を持つ接辞で
 あり、用言語幹と語幹形式で密結合して活用形態を構成する。
 接辞は機能を順次付加するため二次結合、三次結合へと連続す
 ることが多い。
・附属語で活用なしの助辞は、体言や連体修飾句に後続し、ゆる
 い結合により複合形態を構成する。また、助辞に活用ありの接
 辞:助動辞が膠着して措定述語などの活用形態を構成する。
(例:で・ある→だ:ゆるい結合なのだが、逆に短縮・簡略化が
 起きやすい)
〇用言活用の膠着形式を概念化して示すと、
・用言語幹[挿入音素]接辞語幹[挿入音素]接辞語幹[挿入音素]
 接辞語幹・・・の構造で表現できる。
 日本語の膠着方式は語幹と語幹が子音衝突や母音連続となるの
 を避けるため[挿入音素]単音素を差し入れて補完する特徴が
 あります。
(かな発音しやすくなるが、逆に、現代の国語かな文法では[挿
入音素]を識別できないでいます。表向きはそう言う水準です)
例:食べられると、食べさせられるとの違いは?
 :Tabe[r]ar[]e[r]u to,tabe[s]as[]e[r]ar[]e[r]u tono ti-
 gai wa?
〇[挿入音素]には、[a/-],[i/-],[-/r],[-/s],[-/y],[-/k],
 の6種類があり、これだけですべての活用形に対応できます。
  
 国語文法でも、動詞活用形で各個動詞の「語幹」、助動詞の
「語幹」を示そうとしてるので、認識に差異はない。
しかしながら、正確な「語幹」を示す道具としては、「かな:音
節文字」では不可能なのです。方便の抜道として「語幹+活用語
尾」の組み合せ形態で「何行何段」活用形などと表示してるわけ
です。
これはあくまでも方便なのですから、それに巻き込まれて、それ
を基礎にして思考を留めていては真の姿が見えません。
語幹を正確に識別区分するには、「ローマ字:音素文字」つづり
で音素単位の並びを書き表すのが一番です。
 
少なくとも国語研究にはローマ字も考察道具として使うことが必
須条件でしょう。
 

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