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2019/11/10

述語形式と[挿入音素]3

述語形式と[挿入音素]3
2019/11/10(日)
 [挿入音素]の性質について独自の仮説を記述しましょう。
 
 まず、おさらいのため、国語文法での動詞活用の捉え方を分析
しておこう。
〇動詞活用の基本形式=動詞語幹+活用語尾+助動詞接辞、
 の構造概念を用いて示そうとします。
・この概念は、残念ながら「絵にも書けない餅」であり、「かな
 文字」解析では、動詞語幹と活用語尾を+記号で区切れません。
 「ローマ字」で、kak+e+nai と表記しなければ、基本形式の概念
 を正確に表せません。国語学者が頭脳の中で「ローマ字」変換し
 つつ精密に考察しているのだとすれば、頼もしいのだが、、、
・国語文法では、動詞語幹:か、活用語尾:け、だと言い続けてい
 ます。(書けない:ka+ke+nai、見ない:0+mi+nai、食べない:
 ta+be+nai、) 「活用語尾:が語幹を食い散らかす:という方便」
 を有史以来続けています。
 
 では、新提案の[挿入音素]の考え方を分析してみましょう。
〇動詞活用の基本形式=動詞語幹[挿入音素]接辞語幹[挿入音素]
 接辞語幹・・・の構造概念です。これで一般形式表記できます。
・助動詞も接辞語幹[挿入音素]接辞語幹で連結していきます。
〇[挿入音素]の基本構造=[連結母音/無音]、[無音/連結子音]の
 どちらかの活用形態をとります。
・[挿入音素]の役割は、活用に際し子音連続や母音連続をさける
 ために単音素の連結母音や連結子音を挿入して発音しやすくする
 ことです。古来より日本語の膠着指向は子音連続や母音連続を嫌
 う傾向が強いからです。
〇動詞活用の一般形式表記の例を示す。動詞語幹:Dで代表する。
例:D[a/-]na[k0]i:動作打ち消し、D[-/r]e[a/-]na[k0]i:動作完遂
 不可の表現をまとめて:→D(-, [-/r]e)[a/-]na[k0]i で表記。
・書かない、書けない:kak(-, [-/r]e)[a/-]na[k0]i、
・見ない、見れない: mi(-, [-/r]e)[a/-]na[k0]i、
・食べない、食べれない:tabe(-, [-/r]e)[a/-]na[k0]i、
このように五段活用動詞や一段活用動詞を共通表記ができるから、
活用の文法則を効率的に説明、理解できるのです。
その理由は、語幹や接辞を:変形・食い散らかしせずに必要な場
合に[単音素を挿入する]だけだからです。
 
 [挿入音素]の基本構造が優れてるのは、語幹末音、語頭音の
組み合わせを考慮して、[連結母音/無音]、[無音/連結子音]の選
択可能構造を採用したからです。
〇[連結母音]が必要な条件は、語幹末・接辞語頭がともに子音の
 場合です。それ以外では無音挿入・直結でつなげます。
・つまり、[連結母音/無音]子音語頭接辞の連結条件に相当する。
 子音末語幹[連結母音]子音語頭接辞/母音末語幹[無音]子音語頭
 接辞という連結選択条件を表している。
〇[連結子音]が必要な条件は、語幹末・接辞語頭がともに母音の
 場合です。それ以外では無音挿入・直結でつなげます。
・つまり、[無音/連結子音]母音語頭接辞の連結条件に相当する。
 子音末語幹[無音]母音語頭接辞/母音末語幹[連結子音]母音語頭
 接辞という連結選択条件を表している。
 
 [挿入音素]はいわゆる判断選択演算子です。
〇判断論理の[はい/いいえ]選択において、分岐した一方のみ
 を表現するのではなく、他の分岐が成立する条件にも適応でき
 る形式になってることが特徴です。
〇[連結母音/無音]、[無音/連結子音]のように、二分岐選択形式
 のままで思考することを、二分合体思考法と独自に命名して常
 用しています。
・特に日本語の膠着の場合は、接辞が後ろから前へ、後ろから前
 へつながっていきます。接辞連結の都度、判断選択演算子の後
 ろから前に向けた連結条件の選択判断が必要なのです。
例:つながっていきます:tunag[-/r]ar[i/-]te[+]ik[i/-]mas[-/r]u→
 tunag[]a(r[0i)=Q]te[+]ik[i]mas[]u→tunag[]a([=t)]te[+]ik[i]mas[]u.
(注:無音選択:[-]→[]、イ音便促音:(r[0i)=Q]te→([=t)]te、)
(イ音便なし:-s:sagas[i]te,watas[i]te, -母音末:mi[]te,sirabe[]te)
(イ音便消音:-k,g:kak[0i=i]te,oyog[0i=i]de,例外:行くik[0i=Q]te)
(イ音便撥音:-b,n,m:asob[0i=N]de,yom[0i=N]de,)
(イ音便促音:-t,r,w:tat[0i=Q]te,ar[0i=Q]te,negaw[0i=Q]te,)
(この音便は用言活用の[i/-]te,[i/-]taで現れる縮約発音です)
 

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