日本語の述語文法
日本語の述語文法
2020年6月6日(土)
日本語の構文を理解するうえで重要なことは「述部」の意味を
しっかりと把握して「主部」との関係性を解釈できるようにする
ことです。このブログの新文法では「述語律」と言う新概念を使
い、「主体」と「述語」との関係律(関係の規律)を定義しまし
た。
例:動詞述語の述語律:「態の三系四態」3*4=12律−1
態派生で12態(一つ重複あるので11態)なので11律。
能動の自動詞・他動詞ともに主体の「自律」動作と見なすので
律の数は11律のままです。
・ただし、対象物が受ける動作を「受律」動作と見なします。
例:「受律」:きのう買った本は一晩で読んでしまった:
買った→本←読んだ:買った、読んだ、ともに「本」の受律
動作と見なします。つまり、「自律」と「受律」は表裏関係律
である。(文法書で「自律/受律」の相補関係を明文化すべき)
〇動詞の「述語律」は「態の三系四態の律」に「受律」を加えて
、12律があります。
例:彼は財布が盗まれた:彼・財布(所有)←盗まれ「果互律」で、
動作結果が複主体(彼・財布:所有関係)両者に関与し律する。
例:タラちゃんはライオンの絵が描ける:タラちゃん・絵←描け
る「互律」で、複主体(タラちゃん・絵)が描き上げる間の相互
動作が美の法則に適う完遂完成度に向かっていること。
〇形容詞の「述語律」は人が感じる「感情律」と実体の性質・状
態が呼び起こす「属性律」の2律に大別できる。
例:源さんは饅頭がこわい:源さん←こわい「感情律」、饅頭←
こわい「属性律」で、こわいが複主体(源さん・饅頭)の両方に
関係律を発揮する。
例:私は工具があぶないと思います:私←思う「自律」、工具←
あぶない「属性律」で、あぶないは「感情律」が弱いので「と
思う」を人称主体に追加する構文のほうが安定します。
例:象は鼻が長い:象(鼻:部分)←長い「属性律」で、複主体に対
して長い一つで特長づけれる。
〇名詞・名容詞の「述語律」は新規に2種を追加し3律とする。
①「名付け律」:国語文法で言う「名詞述語文節」定義による
「名詞+助詞+接辞+接辞・・」を単位とする文節構造。
例:お、雨だ:「雨だ」を文節としてあつかう。融通が利かない
形式であり、将来的には使用が落ちるだろう。
②「措定律」:新文法で「補助述語文節」と新規定義したい。
「[+]助詞[x]接辞語幹[/]接辞語幹・・」の形態で、
「である、だ、です、であります、のだ、なのだ、」の断定・
措定の補助文節を付属語文節としてあつかう。
用言の連用、連体句にも連結できる。
③「推定律」:新文法で「補助述語文節」と新規定義したい。
「[+]助詞[x]接辞語幹[/]接辞語幹・・」の形態で、
「らしい、(だ)そうだ、(の)ようだ、」の推定の補助文節
を付属語文節としてあつかう。
用言の連用、連体句にも連結できる。
例:お、雨だ:雨←だ「措定律」で、雨と「だ」が対峙する。
・僕はウナギだ:「僕はウナギ」←だ「措定律」と解釈する。
ウナギは僕だ:「ウナギは僕」←だ「措定律」と解釈する。
僕・ウナギの相互関係は文脈情景に依存するが、それ全体を総
括的に肯定し断定・措定する形式です。
・太郎は明日大阪に行く予定です:①名付け律では「予定です」
と行動のレッテル貼りを想定させる。②措定律では「〜予定」
←です、行動予定の簡潔報告を想定させる。
・あっちのほうがちょっと安いらしい:〜安い←らしい「推定律」
と解釈する。
自立語でなく付属語を先頭に持つ「付属語文節」を新たに定義
し直して述語律を確立することが大事です。言語運用実態はすで
にそれを暗黙理に認めているはずです。
また、動詞の受律動作概念も運用実態がすでに定着しているので
文法化して明文化すると、文法論理に抜けがなくなり、日本語教
育も円滑になるでしょう。 *
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