「述語律」が文法の謎を解く -2
「述語律」が文法の謎を解く -2
2020年10月28日(水)
現在の国語文法の問題点には「かな文字頼り」の分析による欠陥が
根源にあり、文法則に確信が持てないために広義の解釈に発展させる
ことができず、狭義の法則に押し止め、広がりを禁止法則にしてしま
う傾向がある。
・だから、余計な禁止法則に惑わされるな、という原則に立ち十分に
禁止理由を吟味すべきである。
・「惑わされない原則」は「ローマ字つづり」で分析する新述語文法
が示唆する「五段活用/一段活用」一般形式表記の原理:子音末・
母音末動詞の区別なく「接辞の機能」が両方に働くのだと確信する
こと。
1.余計な禁止文法則の例
●「(わけがあって)折戸を開けてある:ak[-]e[-]te[+]ar[-]u」他動詞
なら良し、だが自動詞ではダメと禁止的に言及する。
〇「(長いこと)折戸は開いてある:ak[0i=I]te[+]ar[-]u」自動詞でも
OK。「(今日はもう)しっかり歩いてある:aruk[0i=I]te[+]ar[-]u」
自動詞でもOK。
●「読める、書ける:yom[-/r]e[r]u, kak[-/r]e[r]u,」可能動詞だが、
「見れる、食べれる:mi[-/r]e[r]u, tabe[-/r]e[r]u,」は可能動詞と
認めず、「見られる、食べられる:mi[-/r]ar[-]e[r]u, tabe[-/r]ar-
[-]e[r]u,」を無理強いする。国語文法の最弱点である。
〇可能動詞の一般形式:D[-/r]e[r]u,に従い「見れる、食べれる」が
当然ながら認められ、可能態として推奨されるべきである。
(「ら抜き」概念自体が間違いで、国語文法の最弱点である)
2.e[r]u 接辞への無理解がつづく
●立つ:tat[-]u,→立てる:tat[-]e[r]u,:e[r]u付きで他動詞化する、
割る:war[-]u,→割れる:war[-]e[r]u,:e[r]u付きで自動詞化する、
国語文法の最弱点は、接辞 e[r]u の機能を説明できないからだ。
あるときは他動詞化、またあるときは自動詞化になる e[r]u 接辞
を持て余し、解釈しえないで世紀を過ごしている。
〇立てる、割れるの一般形式:D[-/r]e[r]u, は可能動詞を表現する。
同時に動作:Dを実行し「立つように、割るように」して完遂に
達するという意味を表現するのが「立てる、割れる」なのであ
る。(已然:D[-/r]e すでに動作している→D[-/r]e[r]u 完遂!)
自他交替の接辞ではなく完遂状態に達すること表す接辞なのだ。
・つまり、e[r]u 接辞の根源は「動作完遂」を表す機能である。
(已然形は完遂の仮定に通じるだけでなく、e[r]u 「る」の援軍
が挿入されて、完遂状態に達する表現:完遂可能になるのだ)
・活用形の中でも已然形は典型的に動相と態変化に関わる派生形
である。「述語律」も独特であり、主体と客体、対象物ともに
動作条件を合わせながら互(いに協力し規)律し合うこと:
「互律」を意味する。(自然・物理条件などとも折り合いを
つける)
・「彼は納豆が食べれる:tabe[-/r]e[r]u 」互律だから複主型が可。
「花子がピアノが弾ける:hik[-/r]e[r]u」互律だから複主型が可。
国語文法の e[r]u 接辞の無理解の影響はまだまだあり、次回へ続く。
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