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2021年2月

2021/02/14

述語律を記号で表す-2

  • 述語律を記号で表す-2
    2021年2月14日(日)
     名詞文述語のはたらきを「3種類の述語律」で明らかにしましたが、
    名詞述語の構造、構成については明確な文法が利いていない実態が見
    えています。また、判定詞「です、だ」などは助動詞として独立的に
    使用する傾向もあります。これにも文法が明確でありません。
    <判定詞の性質>
     新手法でも意図的に3つの述語律に共通して多種判定詞を付属させ
    ています。共通した文法則があると感じるからです。独立させるにも
    文法則をしっかり定めてからのことにすべきです。
    判定詞は付属語であり独立文節の成立条件に適合しないので、付属語
    の定義に適合させる必要があります。
    1)判定詞は「助詞始まりの助動詞連結」ですから「先行語句が名詞
     もしくは名詞相当語句である」のが自然な膠着規則になります。
    2)「指定律:名付けする規律」では先行名詞が固有名詞、普通名詞、
     抽象名詞などに限定されるし、「推量・伝聞律」では「そう、よう、
     らしい」など限定的な形式名詞が使われるから、問題は生じないだ
     ろう。
    3)「措定律:当てはめ規律」では判定詞が付属する先行名詞、名詞相
     当語句が構文主部に補語として「当てはめられる」ことで構文の意味
     を確定させて報告文形式で判定表明します。
  • 注:2023/11/11 修正記入:名詞の律記号は補語述語の先頭に置きます。
    例1:この問題を→解く + のは : > たやすい(:|の)+です:形容詞文当て。
    例2:この問題を→解く + のは :| 簡単(なの)+です:先行名容詞。
    例3:この問題を→解く + 鍵は  最初の :|補助線+です:先行普通名詞。
    例4:これで問題が↔解ける :|の+です:動詞文当て形式名詞。
    例5:これが問題を→解く :|鍵 +です:連体当て普通名詞。
    例6:明日大阪に→行く:|予定 +です:連体当て普通名詞。
    例7:僕は :|うなぎ+だ:注文選びの当てはめ法、先行普通名詞。
    例8:あっしも うなぎを→頼みます( :|の)+ぢゃ:先行動詞文当て。
    例9:太郎と二郎と三郎が :|うなぎ+です:先行普通名詞。
    例10::|春雨+ぢゃ、→濡れて→参ろう:カラ当て普通名詞。
     
    「措定律:当てはめ律」は「甲は乙と何らかの関係性がある」と表現
    する判定法です。「当てはめ」文脈では「関係性」が潜在するので、
    発話の状況が限定されるなら、「僕」と「うなぎ」の名詞項目だけで
    関係性の説明になりますから判断表現できます。
    これが「指定律:名付け律」の「甲は乙と等価、同等である」の表現
    とは大きく異なります。両者の文型は似ていますが、関係性の裏付け
    を成す言明が有るかないかが識別要素です。この違いを明確に文法則
    に載せるべきです。
     
     判定詞だけ独立させる使い方は「事象報告型構文の結句」という
    用法になるが、「補述構文」のほうが広い応用範囲を想定できる。
    多様な判定詞を統合し続ける文法則としても「補述構文」が論理的
    です。日本語では主語だけでなく、主題も補語もあってもなくても
    「意味の関係性」と「述語律」に支えられて会話が成り立つ傾向が
    あります。
    _

 

2021/02/06

述語律を記号で表す-1

述語律を記号で表す-1
2021年2月6日(土)
 動詞述語のはたらきを態動詞のはたらきで説明してきました。
態の接辞:-ar-, -as-, -e-, を派生させて、「態の三系四態」ができます。
態動詞の数=3✕4=12通りの述語律が働きます。
「態」:「述語律」:「律記号」を一覧表示すると、
1)能動系・基本四態
①能動態:D[-/r]u:「自律/受律」動作:「→」
②可能態:D[-/r]e[r]u:「互律」:「 ↔ 」
③結果態:D[-/r]ar[-]u:「果律」:「↑」
④受動態:D[-/r]ar[-]e[r]u:「果互律」:「 ↕ 」
2)強制系四態:「・」+基本四態
⑤強制態:D[-/s]as[-]u:「律他」:「・→」
⑥強制可能態:D[-/s]as[-]e[r]u:「律他互律」:「・↔ 」
⑦強制結果態:D[-/s]as[-]ar[-]u:「律他果律」:「・↑」
⑧強制受動態:D[-/s]as[-]ar[-]e[r]u:「律他果互律」:「・↕」
3)使役系四態:「;」+基本四態
⑨使役態:D[-/s]as[-]e[r]u:「律他互律」:「;→ 」(=⑥「・↔ 」)
⑩使役可能態:D[-/s]as[-]e[r]e[r]u:「使役互律」:「;↔ 」
⑪使役結果態:D[-/s]as[-]e[r]ar[-]u:「使役果律」:「;↑」
⑫使役受動態:D[-/s]as[-]e[r]ar[-]e[r]u:「使役果互律」: 「;↕」
以上が動詞述語の「律記号」です。
例:昨日→買った+本は一気に→読んで→しまった:本は動作を受け
 るだけ、買った、読んだは「受律」として本と規制関係にある。
(連体修飾を受ける体言を「+体言」で識別する)
 
 次に形容詞述語の「律記号」を決める必要があります。
形容詞は一般形式で表記すると、形容詞語幹:K、挿入音素:[k]、を
使って、終止形:K[k]0i が表せます。述語律は2+1=3通り。
4)形容詞述語の「述語律」:「律記号」
①「感情律」:K[k]0i:「 :< 」実体が感情誘発させる規律。
②「属性律」:K[k]0i:「 :> 」実体の属性が示す規律。
③「感情属性律」:K[k]0i:「 :<> 」実体の属性と感情誘発の規律。
例:源さんは饅頭が :<> こわい:源さん=怖さを感じる、饅頭=怖い。
例:私はこの工具が :> 危ないと→思う:私=思う、工具=危ない。
 
 つぎに名詞・名容詞述語の「律記号」を決める。
名詞・名容詞の述語は一般形式で表記すると、名詞・名容詞単語:
M,My、複合膠着:[+]、(判定詞=)助詞[x]接辞語幹[ / ]接辞語幹・・・
を使って、M,My [+] 助詞 [X] 接辞語幹 [ / ]接辞語幹・・・で生成でき
る。新手法として提起する重要な点は、M、Myの単語部分は構文の
主部成分に加えて、後半の判定詞=助詞 [X] 接辞語幹 [ / ]接辞語幹、
が述部に相当することである。判定詞の述語律は3通り。
5)判定詞述語の「述語律」:「律記号」
①「指定律」:d(e[x])a(r[-]u), de([x]ar[i]ma)s[-]u, :「 = | 」
 M=固有名詞、普通名詞、などに判定詞を付加する。
②「措定律」:d(e[x])a(r[-]u), de([x]ar[i]ma)s[-]u, :「 : | 」
 連体節+no, +M(普通名詞、形式名詞),+My+na[+]no, +no, の主部に
 後続して付属する。
③「推量・伝聞律」: d(e[x])a(r[-]u), de([x]ar[i]ma)s[-]u, :「 ; | 」
 終止節、M(形式名詞、よう、そう)、らしい、の主部に後続して
 付属する。
(注:2023/11/11 修正追記:「律記号」は補語体言の前に置く)
例:これは =| ペン +です。あれが=|富士山 +だね。
例:太郎は明日大阪に→行く:|予定 +です。
例:太郎は明日大阪に→行く+(のが) :|予定(なの) +です。
例:太郎は明日大阪に→行く;|そう +です。
例:この問題は→解く+ のが :| 簡単(なの) +です。
例:本は→座って→読む+(のが) :| 規則 +です。
 
 名詞述語の構造を再確認しておくと、
・+ 名詞類(固有名詞、普通名詞、形式名詞、名容詞、の、なの、
 らしい、よう、そう、はず、つもり、など構文主部に入る)+判定詞
 ( である、だ、であります、です、でございます、ではありません、
 でない、ぢゃない、ぢゃありません、ぢゃんか、など構文述部を構
 成する ) のように配置されます。
例文に示すように、名詞類述語の構成はその前半が主部要素に含まれ
て、後半が判定詞に相当し、それで主部構成を成否判定する。
逆に言うと判定詞「です類」がなくても文章の構造(登場人物の勢揃
い)設定は済んでることになります。問題は文法的に確立できていな
いことです。言語学者も学校文法の範囲に縛られていると、突飛な
解釈法を持ち出すことがあります。
例:太郎は明日大阪に行く予定です:「太郎は予定です」文型にしか
 解釈しないで、文の前半は動詞文、後半が名詞文の構造:人魚構文
 と名付けて世界の言語に類例を調べる大規模な研究をした人がいる
 ほどです。たしかに世界では20言語ほど人魚構文に類似する文型
 があるそうで、東南アジア地域に多いことが分かったそうです。
問題は人魚構文「太郎は予定です」の解釈方法の適否です。
新述語文法の新解釈では、「律記号」入り例文の通り
「半人半魚の構造が構文全体で起きるのではない」、
「名詞類述語の構造は前半の名詞類が主部所属の補語であり、
 後半の判定詞が述部所属の述語なのである」と解釈します。
つまり、「半補半述構文」=「補述構文」形式なのです。
つづく

 

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