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2024/02/07

日本語の基本構文型(7)已然が構文相に登場する

日本語の基本構文型(7)已然が構文相に登場する

再掲 【日本語基本構文型1】 選択演算式応答文形式

【 T①(T②/Y②)T①-(Y①/Y②)…S①(S②/Y②)[S①-S③]/[S①-Y③]. 】

注:(   ):要否選択、/ :択一選択(または両選択)、[ - ]/[ - ]:選択範囲整理と

択一/(両選択)、… :先行文終わり・後続文始め。

(択一選択を優先するが、言い回しで両選択も許される場合もある)

・主部要素-体言:T①連用形/T②連体形/T③終止形、

・述部要素-用言:Y①連用形/Y②連体形/Y③終止形、

・主部補語-体言:S①連用形/S②連体形/S③終止形で記号化。_

 

(12)動詞の活用で重要な”完了状態”の表現に相当する”已然”が、構文相①連用/②連体/③終止の範囲外になってしまっては、基本構文型に手落ちがあるかと心配になる。
幸い近世になって、可能動詞の概念が発達したおかげで、可能動詞の①連用/②連体/③終止を繰り入れできるので、構文相でも”完了”状態を表現できることになりました。
 この結果、等価的に①連用/②連体/③終止/④完了(已然)の広い表現範囲が基本構文型1でも無理なく想定できるようになりました。
素晴らしいことです。

 

 とは言っても、全面的な安心完了をしないでください。

・日本語の正式文法は、この已然接辞-e-の意味を正しく説明しきれずに世紀を超えて混沌のままに対応策を立てられずいます。

・(4)回目の(7)態の三系四態で簡略的に述べたように、-e-は”已然の接辞”でもあり、動作完遂を表わす”態の接辞”でもあり、自動詞/他動詞交替接辞でもあります。見かけの役割が多く見えても、意味の真芯は一つであり、-e[r]uは”動作が/を完遂する”ことです。

 

 まず、自動詞/他動詞交替接辞について考察しよう。

・交替接辞には、-as-,  -ar-, -e-の接辞:態の接辞が機能を果たします。

例1:自他両用原動詞に-e[r]u…-ar[-]uの接辞対向(最多の対向形式)
決む:kim-e[r]u:他→自律…kim-ar[-]u;自→自律(結果を得る)
求む:motom-e[r]u:他→自律…motom-ar[-]u:自→自律(結果を得る)
あぐ:ag-e[r]u:他→自律…ag-ar[-]u:自→自律(結果を得る)
やすむ:yasum-e[r]u:他→自律…yasum-ar[-]u:自→自律(結果を得る)

例2:自他交替 -e[r]uを付けて交替させる両用?対向。
立つ:tat-u:自→自律…tat-e[r]u:(自↔互律可能/他→自律)
割る:war-u:他→自律…war-e[r]u:(他↔互律可能/自→自発)

 

(13)已然形を仮定法に使用するのは”無謀すぎる”

 現状の公式文法では、-e[r]uの用法に確定的な意味付けをできないでいます。
(にも関わらず、已然-e-を仮定法にも使い多重役割を暗黙理に与えています)

 まず、例2の-e[r]uは、交替せずに可能を表現し、また交替役なら自動詞から他動詞へ、他動詞から自動詞へ交差交替するのです。
交差的に働く接辞と分析すると沼から抜け出せません。抜け出せないまま可能と交差交替の三役を果たす接辞に対して、さらに仮定法を与え四役にしています。

・已然-e-は動作に取り掛かり、-e[r]e-なら動作完遂し実現できる描写相になります。-e[r]e[+]ba-:動作実現の仮定形は勢いがついて、-e[r]e[r]uと二重可能を誘発します。(意図がなくても態が進んでしまう危険があります)

㋐tat-e[r]u:(他→自律)…tate[r]-e[r]u:(他↔互律可能)OK。
(他動詞:建てるの可能態として現代では建てれる:OK派生です)

㋑自動詞tat-e[r]u:(自↔互律可能)…tat-e[r]-e[r]u:(立つの↑果律結果態)?
(自動詞:立てればが実現すると、論理的には「立てれる/立てれた」だが、
通常は「立つ/立った:tat[-]u/tat[0i=Q]ta=ta[Q]ta=ta[t]taの継続動詞の活用で済ませることが多い。
もし論理を貫くなら、立てれる/立てれた=立たる/立たった:tat[-]ar[-]u/tat[-]ar[0i=Q]ta=tata[t]taと表現することになるでしょう。
しかし立つは継続動詞なので、先史時代でも態変化を重ねないで、立つの結果態↑果律で表現したのです)

・つまり↔↔二重互律・二重可能態:-e[r]-e[r]uは、先史時代なら=-ar[-]u:↑果律・結果態で表わすことが正論になります。

・建てる、食べる→自律・動詞として最初から已然事象を含んでいる動詞に可能-e[r]uをつけるのは一重可能ですから正常派生として問題ありません。(建てれる、食べれる、見れる、来れる=正常可能派生です)

 

・ところが、書けれる、行けれる、読めれる、食べれれる=D[-/r]-e[r]-

e[r]u:は可能-e[r]-に可能-e[r]uが二重盛りされる現代形態であり、
先史時代には-e[r]の用法がまだまだ存在しなかったから、考えられもしなかった。

先史古語時代では、-e[r]e[r]uが描写する事象には、-ar[-]u:↑果律結果態で表現する通用文法があったのです。
つまり、D[-/r]ar[-]u=kak[-]ar,ik[-]ar-,yom[-]ar-,tabe[r]ar-を規則としたのです。(書かる、行かる、読まる、食べらる…)

 

(14)ある:-ar-は、やり遂げて:-e[r]-, 実現する:-e[r]-事象/状態のこと

 自他交替の例1に上げた”-e[r]-/-ar-”交替をよく見ると、この交替機序の認識方法が「ある=完遂して実現する事象/状態=動作結果」を端的に表現しているのだと感得できます。

(態の四態:原態ー可能態-e[r]ー結果態-ar-(-e[r]e[r])ー受動態:ar[-]e[r]u)

・決むー決める:kim[-]e[r]uー(決めれる:kim[-]e[r]e[r]u)=決まる:kim[-]ar

[-]uー決まれる:kim[-]ar[-]e[r]u。

・休むー休める:yasum[-]e[r]uー(休めれる:yasum[-]e[r]e[r]u)=休まる:yasum[-]ar[-]uー休まれる:yasum[-]ar[-]e[r]u。

・上ぐー上げる:ag[-]e[r]uー(上げれる:ag[-]e[r]e[r]u)=上がる:ag[-]ar[-]uー上がれる:ag[-]ar[-]e[r]u。

・つかむーつかめる:tukam[-]e[r]uー(つかめれる:tukam[-]e[r]e[r]u)=つかまる:tukam[-]ar[-]uーつかまれる:tukam[-]ar[-]e[r]u。

 可能態から結果態への態の進み方は、事象の遂行と連動しています。

また、結果態から受動態への態の進み方も事象結果の周囲への関与反応の広がりという受動状態に連動しています。

・休まる/上がる/つかまる:これらは単に自動詞交替した結果というより、自律・場合により受律の意図的な動作遂行を表わす動詞でもあります。自他交替で態も入れ替わります。ある:-ar-が内包する多様な意味はこういう機序によるのでしょう。
(残念ながら、-e[r]uの理解が不十分である現状では、-ar[-]uの理解にも届かない懸念があります。”ある”は人為の及ばぬ結果ではなく、尽力の結果で生まれる描写でもあるのです)

 

 以上、-e-/[-/r]e[-]ba,/-e[r]e[-]ba,/-e[r]-e[r]u, 仮定形を安易に使い回すと、態が進んでしまいます。だから、意識的に仮定形を変えます。

・仮定法=[+]なら、を使い、D[-/r]u[+]なら、K[k]0i[+]なら、M/My[+]なら、とすることを提案します。(なら、ばをつけない)

 

・流る/離るー流れる/離れるのように-e[r]uをつけると動態感覚が増してきます。

・書かす/読ます/任すー書かせる/読ませる/任せるなど強制態から強制可能態にすると、使役態とみなせます。
使役態は相手に”やらす”だけでなく、完遂できるように助言、手助けしての”やらせる動作”を想定しています。
現代では、任せれる:makas[-]e[r]-e[r]uは使役可能態の意図モードとして通用するし、
もちろん任せられる:makase[r]ar[-]e[r]u,と実績報告モードで表現することも並行してできます。

・書かせれる/任せれるは律他互律+互律(=律他互互律=使役互律=使役可能態)として通用し、
書かせらる/任せらるは律他互果律=使役果律として”態が進行”した状態も並行して通用する。

(先史時代は書かさる/任さる:強制果律(kak/mak)[-]as[-]ar[-]uのみで、as[-]e[r]-e[r]u表現が存在しなかった)

二重可能に相当する使役系の律他互互律の主客複合行動に対してだけ、二重可能が許容される現代の特例なのでしょう。

(→書かせる/→任せる=使役の→自律原動詞の語幹”D[-/s]as[-]e[r]”と見立てるから、これに可能をつけても二重可能ではありません)

 

 動詞が果たす「述語律」は態動詞としての規律力に対応した呼称ですから、まず態の変化や進行を敏感に感じとれるように学習する必要があります。-e[r]uは、すでに動作をしている/完遂することを目指した動詞です。完遂し完了した状態は態が進行したことになるのです。

 

 基本構文型の提案・概略説明はここで一区切りで(に-し-ま)す。

(「新文法「新手法」として原稿査読を進めます)



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