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2025/03/08

新日本語述語文法−再入門(2)

日本語述語文法−再入門(2)


 さて再入門の目的を改めて確認しておきましょう。
・昨年発行の『新手法(2024/6)』で未完成状態である部分:述語活用の「報告相」についての「新手法」を発見したいということです。

・述語活用に関わる「付属語:助詞/助動詞…」の機能をすっきりと整理することが必須条件です。すでに「新手法」で解決してある「態相接辞、構文相(連用形/連体形/終止形)接辞」を除外して、「肯定/否定、意向/希求、完了/過去、仮定/命令、指定/措定、推量/伝聞、…」などの助動詞類を「報告相」の対象とします。


 まず「膠着強度の3種類」を簡単に明示します。
膠着強度の3区分


新文法:述語の膠着方法の視点から


表1:膠着法3種類


膠着①:[+]複合例
・夜行列車
  yakou[+]ressya
・春[+]は/が…
膠着①’:[+]複合変種
:連濁/連声など含む
・居酒屋
 i[+zθ]sake[+0a]ya
・反応han[+n]ou
注:’θ’=後音消し記号
 ’0’=前音消し記号
(zθs=zを表現する)


膠着②:[×]縮約例
・である=だ…
[+]d(e[×])a(r[-]u)=da…
・であります=です…
[+]de([×]ar[i]ma)s[-]u=des[-]u…

注:縮約の範囲は( )で示す。
恣意的な縮約だがすでに定着している。
実際は[+],[×],[/]が混在します。



膠着③:[/]派生例
・読みます/食べます
 yom[i/-]mas[-/r]u==yom[i]mas[-]u ,  
 tabe[i/-]mas[-/r]u==tabe[-]mas[-]u…

注:
 [a/-].[i/-]=[連結母音/無音],2種類。
 [-/r],[-/s],[-/y],[-/k]=[無音/連結子音],
 4種類。

注:膠着①:緩やかな連結、単語[+]単語/助詞などの連結。
膠着②:慣用的な省略を含む結合。助詞[×]接辞[/]接辞…など体言の活用向き用途。
膠着③:密結合。動詞/形容詞など語幹[/]接辞[/]接辞…用言の活用向き用途。

 新手法の膠着三区分を基礎にするなら、体言も用言も必要な付属語と連結させることで、文節の役割を担って構文要素を作成できるのです。体言も用言も上手に活用して日本語文を作り上げるのだと言える。

日本語の文章形式
 日本語の基本的な文章構造は「登場人物:主部要素」+「情景描写:述部要素」で構成されるのが基本的な構文形式です。
(修飾説明のための「述部要素が「主部要素に」先行する場合もありますが、文章を最終的にまとめる述語が文末に必要なのです)


・主部要素の構造は
「文章中に「登場人・物」:名詞:自立語に[+]付属語・助詞「は/が/を/に/で/…の/な/…」などを連結して「主/客/対象/目的:主部律」の役割を明示します。 (これを「主部文節」といいます。複数の主部文節を想定できます)
・述語要素の構造も同様に、文章中の
「人物・事象の動き」:動詞:自立語D語幹[/]接辞語幹[/]…、や
「表情・状態・属性の感じ」:形容詞:自立語K語幹[k]接辞語幹[/]接辞…
「質問への返答・名前・事由」:名詞・名容詞:自立語[+]助詞[×]接辞[/]接辞…、
などに「特有の膠着方法で付属語・助動詞/助詞」と連結させて活用させることで情景を描写します。
(これを「述語文節」といいます。文末の述語文節は複数でなく単独であるほうが簡明な文章です)

 『新手法(2024/6)』では「主部文節「述語文節」について新しい考え方を展開しました。

・主部文節=主部要素:主に体言・名詞/名容詞の文節で、文章中の「主部律」(登場人物の役割づけ:主/客/対象/などの格付け規律)を果たす。

なお、文末で体言的な述語役を果たす「名詞文:補語文節」の機能は、主部文節と同形態ながら「体言的な述語律:3種類」を発揮するのだと強調した。(名詞文を述語要素として徹底して位置づける)
・述部文節=述部要素:動詞/形容詞/名詞・名容詞(補語)の活用で動作や事象/状態/評価などを記述する。(述語律:動詞文=態三系四態:3×4=12種、形容詞文=属性/感情/感情属性の3種、名詞(補語)文=指定/措定/推量伝聞の3種)と解説した。


 『新手法』の「主部律/述語律」を次回に詳細に解説します。

つづく。

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