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2025/05/21

「日本語の基本構文型」再入門(連載)

「日本語の基本構文型」再入門(連載)

 新日本語述語文法−再入門(8)に対する補追記事を書き足します。
まず、なぜか…現在の国文法で抜け落ちている重要法則を明示します。
・「基本構文型」を発見するための「必須の要件」を手に入れることになります。
(目標は簡単簡明な法則で汎用的に使える「一行表記の「基本構文型」の提案です)

・抜け落ちた重要法則(活用=膠着):(新手法の解釈で重要法則を見える化すると)
1)膠着語の活用規則=膠着に、[ / ]派生/[+]複合/[×]縮約の、3種類の区別があり、
【用言の活用】には語幹に密結合:短接辞を[ / ]派生で組み込む規則が採用されている。
・動詞語幹(用言の活用)=動詞語幹[挿入音素]接辞[挿入音素]接辞…挿入音素:6種。
(挿入音素:[連結母音/無音]=[a/-],[i/-],2種、[無音/連結子音]=[-/r],[-/s],[-/y],[-/k],4種)
(例:抜いたnuk[0i=I]ta=nu[I]ta、抜けたnuke[i/-]ta=nuke[-]ta:イ音便[0i=I]の一つ)
・形容詞語幹(用言の活用)=形容詞語幹[-/k]接辞[挿入音素]接辞…:[-/k]=[k]。
(例:暑いatu[-/k]0i=atu[k]0i=atu[]i、暑かったatu[k]ar[0i=Q]ta=atu[k]a[Q]ta=atu[k]a[Q=t]ta)

【体言の活用】には単語を疎結合:[+]助詞(格助詞/係助詞/体言単語/接続助詞など)を付加して、
名詞文節の役割(主部要素か/補語述語要素なのか)を明確にします。
・名詞(体言の活用)=名詞[+]名詞、(連濁連声も記号化:’θ’後音消去、’0’前音消音)
(例:居酒屋i[+zθ]sake[+0a]ya=izakaya、反応han[+n]ou=hannou。)
=名詞(主部要素)[+]が/を/に/で/は/…:①連用形、[+]の/なの/な/…:②連体形。
=名詞・名容詞(補語述語要素)[+]判定詞=[+]である/だ/です/…:③終止形、
(例:③終止形=M/My [+]d(e[×])a(r[-]u)=[+]da, [+]de([×]ar[i/-]ma)s[-]u=[+]des[-]u…など、
[×]縮約は、判定詞の中で使われ慣用句の接辞を恣意的に簡略/縮約して定着したもの)

2)文節の係り受け法則(文の構造):文章の中で上記の体言、用言を活用させて相互の係り受け関係を解釈する法則を
「新手法」により見える化すると、
【文節の構文相】には用言:Y/体言:Tともに「活用の「①連用形「②連体形「③終止形」に注目して構文構造を構成してみる。
(接続詞、接続助詞、などは…空白扱い?名詞扱い?で演習)
・特に体言:T③終止形は、補語体言:S③終止形ですから、述語体言:S③なのです。
・文=僕はT①…ウナギS③です。:係り受け関係は、T①…S③の主述関係です。
(係り受け関係が明確でも主述関係に疑義?があります。主述関係の法則が不足です)
・文=僕のT②…ウナギS③です。:係り受け関係は、T②S③:Tの分身関係です。
・文=僕はT①…ウナギ[をS①/のS②]注文S③です。:T①…[S①/S②]S③の主述関係です。
(注文S③です=注文S③に(し)ます=ウナギS③に(し)ます、と同等の補語述語文です)

【構文の構造】は、体言T/S(名詞・名容詞)/用言Y(動詞/形容詞)の4つの自立語に注目して、
その活用文節を【構文相】の区分(①連用/②連体/③終止)で識別表記すると、係り受け関係の構造を明示できます。
各種の構文例を【構文相】で表記していくと共通的な構文構造が発見できます。
これを「新手法」では、一行形式で表記できる汎用【基本構文型】としてまとめることができました。(順次、開示します)
・しかし、前節のように補語述語文:S③終止形などに対しては構文相の認識だけでは文意を補強できないことが分かります。

=これを解決するには、(汎用性を考慮した文法規律として、)
【構文の意味構造】:先行:質問・前提文…後続:回答・応答文の複文形式構造、
【構文相の規律性】:【主部律】:主客対象の相互規律関係…【述語律】:主客対象に対する描写規律、
この【2項を文法化する】ことが必須条件になります。

(『日本語の述語文法』(2024/06)創作時の考察順序では、【主部律、述語律】がはじまりであり【構文構造、構文相】、【構文の意味構造、述語律との関係】へと進むことで、「新手法」全体像が見えだしました)


つづく。(「用言/体言の述語律 再入門」はすでに直前ブログに補追投稿済ですから、次回では「構文の意味構造」について続けます)

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