「日本語の基本構文型」再入門(4-立ち戻る)
「日本語の基本構文型」再入門(連載,2,3,)に対する追加記事を書きます。
・連載初回の冒頭に、「なぜか現代の国文法には抜け落ちている重要法則がある」と書き出し
ました。(ここへ立ち戻って再入門しましょう)
本来は、重要法則を立て直して国語文法が論理的に一貫性を持つようにしたいのです。
つまり、文語文法・口語文法を別々の法則で扱うのでなく、進歩した現代文法の法則が文語/口語の両方を一気通貫で説明し尽くせることを期待します。
・古語時代からの語彙を『古語辞典』で見ていくと、試行錯誤を繰り返しながら自然言語として発展し定着する言葉の流れが感じられます。
しかし、現代文法では重要法則の立て直しができていません。
国語学の視点も、古代から近世・現代までの通時的一貫性を探り出そうとする目標意識は希薄です。
文法に必要な重要法則を見失って久しいから脇道に遠く迷い込んでしまい、戻れません。
「抜け落ちた重要法則」を「新手法」で見える化すると、2つの重要法則の不在状態が明確になります。(これを立て直すことから手をつけるべきだと目標を立てました)
まず一つ目の重要法則の立て直し、その得失を考察しましょう。
1)膠着語の活用文法を確立すべきである。(ローマ字つづりで接合部分を解明する)
日本語の膠着活用には=3種類の膠着形式がある([ / ]派生/[+]複合/[×]縮約)。
【用言の活用:語幹に短接辞:助動詞を密結合[ / ]派生】して述語を生成します。
例:動詞語幹D[-/r]u=kak[-]u/tabe[r]u=書く/食べる:すべての規則動詞の終止形。
([/]派生は本格的な屈折語的な語形変化・密結合です)
【体言の活用:単語に[+]助詞(格助詞/係助詞/体言単語/接続助詞など)を疎結合】して、主部要素を生成します。
例:居[+]酒[+]屋=i[+zθ]sake[+0a]ya=i[+zθ]sake[+0a]ya、反[+]応=han[+n]ou=hannou、
兄弟[+]で絵本[+]を=kyoudai[+]de ehon[+]wo、(本格的な膠着語的な語形変化・疎結合です。
注:後音消音記号’θ’、前音消音記号’0’、連濁・連声など[+]複合に含めます)
また、体言補語が終止形の形態になると、述語要素にも変身し二役化するので、
【補語名詞[+]で[×]ある=です/だ/であります、などの判定詞を膠着し】述語となります。
例:補語名詞[+]判定詞:名付け指定、事由・回答語措定、推定・伝聞、
(~形式名詞)[+]判定詞:肯定:(~の)[+]d(e[×])a(r[-]u)=[+]da=[+]de([×]ar[i/-]ma)s[-]u、
:否定:(~の)[+]de[×0yθ]wa==[+]d[y]a[-]na[k]0i=[+]d[y]a[+]ar[i/-]mas[-]e[-]n、
(判定詞の範囲内で[+]複合、[×]縮約、[/]派生の全膠着種類が使われます)
これが膠着言語の用言/体言の四大自立語が活用形を造り出す本当の姿です。
これを確立すると、以下の接辞:助動詞などの形態素を明確化・文法化できます。
・挿入音素:[連結母音/無音]=[a/-],[i/-],2種類、[無音/連結子音]=[-/r],[-/s],[-/k],[-/y],4種類、
・態接辞:-ar-,-as-,-ak-,-ay-,4種類(已然形:-e-も態接辞機能を発揮する)
(連結子音と態接辞の子音要素との対応関係を考察すると、両者が意味と役割を共有していると推定できる。これで接辞の意味不明が解消して、文法の通時的進歩に小さな寄与を期待できます)
・動詞膠着活用を語幹Dに+[-/r]uで表記すると、
「書く:kak[-]u、食べる:tabe[r]u、のような[挿入音素]形式の選択演算子での演算を」個々人が実行したうえで発話していることを明示できます。すべての規則動詞の原形・終止形をD[-/r]u表記一つで開示できる方法なのです。
・特に並行概念を選択括弧に[並/置]し雛形明示する形式なら、学習の場での応用範囲が広いはずです。
折角の立ち戻り投稿なので、「1つ目の重要法則の「機能」がどのように
・適時有効だったか=進歩寄与、
・法則の理解不足があり勇み足=誤審・迷走、
・法則に反した踏み外し=退歩・錯誤、などが発生したか、
歴史的実例を詳しく分析しておきたい。
(2つ目の「抜け落ちた重要法則」は次回に回します)
もちろん、「重要法則を【立て直した】「新手法」には「得/利点」が満載です。反面「【抜け落ちた】ままの重要法則」には「失/欠点」だらけを記述することになります。(自然言語が発展する途上の試行錯誤の姿が遺産として残っているのですから、欠点を全否定するわけぢゃありません。勇み足・踏み外しに気づいて進歩に向かうことが大事です)
実例検証:
・勇み足:先史から室町:動詞の二段活用→近世現代:一段活用に収れんした。進歩。
(二段→一段:起くるok[-]uru→oki[r]u起きる、助くるtasuk[-]uru→tasuke[r]u,)
(終止形-u-に対し-ur-u-の-ur-接辞を付加して連体形、-ur-e-已然形を誘導したのが二段活用であり、厳密には何世紀にもわたり勇み足の迷走であった。国語学はまだ迷走中で、-ur-接辞?を-u[r]u-として分解もできていません。
==本当は先史時代で、応急措置として、-u-終止形のうしろに-[r]u-を追加して「動作終止の状態」を強調する窮余の一策だったと解釈するべきでしょう。-ur-接辞ではなく-u+[r]u-なのです。これなら、二段已然形活用:-u[r]e-を問題なく派生できますから)
・勇み足:同じ二段→一段革命で、起きるok-i-[r]u、助けるtasuk-e-[r]u、のように
連用形の -i-、-e-、連結母音が語幹にくみこまれ、さらに-[r]u-付加することで活用形が近世型になった。
[挿入音素]の文法則が公開知識になるとき、動詞活用は、
・子音末語幹[挿入音素]接辞:[a]未然、[i]連用、[-]u終止・連体、[-]e已然、
・母音末語幹[挿入音素]接辞:[-]未然、[-]連用、[r]u終止・連体、[r]e已然、
・共通表示:D語幹[挿入音素]接辞:[a/-]未然、[i/-]連用、[-/r]u終止・連体、[-/r]e已然、
と整理された一行一覧表で学習できるようになる。
==勇み足・踏み外しを防ぎ、進歩に寄与する文法則にするには、
・起き:ok-i-の-i-い連用音:動作始めの様子で動作の意味が推定できる。
・助け:tasuk-e-の-e-え已然音:動作が進展完了した時点で動作の意味が推定できる。
という意味の原則を適用できるのではないだろうか。
(ok[a/-]やtasuk[a/-]は意味をなさない)
公開知識にしていくことが自然言語の進歩なのでしょう。
・踏み外し:住まば都sum[a/-][+bθ]wa miyako.:住むなら(便利な)都がよい。
この用法は-aba-が接辞だと勘違いした錯誤です。
一方、住めば都:sum[-/r]e[+bθ]wa miyako.:住んでしまえば そこが都。
已然形の-e[+bθ]waは-e-接辞と助詞+は、の膠着ですから意味が通じます。
例:食べればtabe[-/r]eba 食べれるtabe[r]-e[r]u、試せばtames[-/r]eba 試せるtames[-]-e[r]u 試せる。
已然形の条件設定なら子音末/母音末語幹にも対応できます。しかし、これが近世の二度目の大きな踏み外しを招きました。
(近世の国語学では-e-接辞の已然力の本当の意味に対する徹底理解が不足していた)
・踏み外し:口語文法を制定する際に、已然形:-e-を外し「仮定形:-eba-」に置き換えてしまった。
-e-已然接辞の意味本質を汲み取れないままに「可能態:-e[r]u-」と「仮定形:-eba-」を併存させてしまった。
・なぜこれが大失敗か、一見すると正しく活用できるように見える、が
=「可能態:D[-/r]e[r]u:住めるsum[-]e[r]u、食べれるtabe[r]e[r]u」が派生できること、
=「仮定形:D[-/r]e[+]ba;住めばsum[-]e[+]ba、食べればtabe[r]e[-]ba」が派生できる。
・実際には、日本語の-e-接辞は非常に使い勝手がよくて、
例:流るnaga[r]u→流れるnagar-e-[r]u、離るhana[r]u→離れるhanar-e-[r]u、二段→一段への進歩にも大役をはたした。
(この-e-[r]uは微妙な接辞であり、意思動詞につくと可能態を呼び起こし、無意思動詞なら完了状態への移行描写の意味なのです)
・一段化が始まると、可能動詞が同時に始まるのは当然であり、五段/一段ともに可能態を正式に認定すべき法則です。
むしろ「仮定形-e[+]ba、-[k]e[r]-e[+]ba」を禁止し、終止形[+]nar[a]を仮定形に推奨すべきだったのです。
(近世の国語学に-e-接辞の真の理解者がほとんどいなかったからでしょう。-eba-自体の生まれは正しいのだが、仮定役を与えてしまうと、-e[r]-eba,-e[r]e[r]-eba,-e[r]e[r]e[r]-eba,と完遂の仮定に仮定の繰り返しを誘発し止めれなくなります。動作完遂の熱望を仮想で繰り返す表現は止められません。-e[r]u-と-e[+]ba-が同時代併存するのはやっかいです。例:書けるkak[-e[r]u→書ければkak[-]e[r]-eba→✳書けれるkak[-]e[r]-e[r]u. 書けれるはNGで、書かるkak[-[ar[-]uというべきですが、口語では書かれるkak[-]ar[-]e[r]uが使われる)
・可能-e[r]u-、結果-e[r]-e[r]u=-ar[-]u-、受動-e[r]-e[r]-e[r]u-=-ar[-]-e[r]u、が、五段/一段ともに適用できる「態接辞の文法則」ですが、古代では-e[r]u-が成立しておらず、結果の-ar[-]u-だけが「受動」として使われていました。
・仮定形-e-ba-を使えば動作相や態相が無意識のうちに進展するのを体感的に感知してほしい…が。
さらに近世の可能態の成果を五段/一段ともに有効化する利点を制限してしまうと、言語進歩の大障害物なのです。
(これは2つ目の重要法則に関係する)
つづく。